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テレフォニー

テレフォニー

テレフォニーとは何か、PSTN・VoIP・SIPで通話がどう流れるのか、AI音声エージェントが電話に応答するためにテレフォニースタックに必要な要素を解説します。

テレフォニーとは、公衆電話網、インターネット、またはその両方を介して、人やシステムの間で離れた場所に音声通話を届ける技術です。現在、ビジネス向けテレフォニーの大半はインターネットプロトコル上で動作しています。AI音声エージェントも、電話システムと同じ方法でテレフォニーに接続します。

テレフォニー、PSTN、VoIP、SIPの違いとは?

テレフォニーは分野全体を指す言葉です。PSTN、VoIP、SIPはその構成要素ですが、同じ意味であるかのように使われることがよくあります。

用語概要AI音声エージェントとの接点
テレフォニー音声通話を伝送するあらゆる技術通話が動作するスタック全体
PSTN公衆交換電話網。電話番号が属する、相互接続された回線交換方式の音声ネットワーク発信者はPSTNを通じて着信し、キャリアがPSTNとインターネットを橋渡しします
VoIPVoice over IP。インターネットプロトコルを使ってデータネットワーク上で伝送される音声通信エージェントは銅線ではなくIP経由でスタックと通信します
SIPSession Initiation Protocol。通話の確立・変更・終了を行うシグナリングプロトコルRetellはSIP経由でキャリアや電話システムに接続します
RTPReal-time Transport Protocol。音声そのものを伝送するプロトコル発信者とエージェント間のリアルタイム音声
SIPトランク電話システムとキャリアを結ぶSIP接続電話番号をAI音声エージェントに向ける方法

PSTNはRFC 5486において、相互接続された回線交換方式の音声向け公衆電話網の集合として説明されています。またNISTは、VoIPをインターネットプロトコルを使ったデータネットワーク上の音声通信と定義しています。SIPはRFC 3261で、インターネット電話の通話を含むセッションを確立・変更・終了するためのシグナリングプロトコルとして定義されています。RFC 3550で定義されているRTPは、リアルタイム音声を伝送します。シグナリングと音声を分けて考えると、テレフォニーの問題の多くは診断しやすくなります。通話がつながるかどうかはシグナリングが決め、相手の声が聞こえるかどうかはメディアが決めます。

電話の通話はテレフォニーシステムをどのように流れるのか?

通話はまず、PSTNまたはキャリアのネットワークを通じて、その電話番号を所有するキャリアに届きます。次にキャリアが、SIPトランクを介して通話をお客様側に引き渡します。SIPが通話を確立し、接続後はRTPが音声を伝送します。

Retellが応答する通話の場合、最後の経路は次のようになります。

着信通話の経路を示す図。発信者の電話はキャリアとPSTNを経由して、テレフォニープロバイダーのエラスティックSIPトランクに接続されます。プロバイダーはオリジネーションを使って、sip.retellai.comにあるRetellのSIPサーバーに通話を送り、AI音声エージェントが応答します。発信通話はプロバイダーのターミネーションURIを通じて逆方向に流れます。SIPはシグナリングを、RTPは音声を伝送します。
自社のキャリアを持ち込む場合に通話がAI音声エージェントへ届く経路と、各トランク設定が制御する方向を示した図。図:Retell AI、2026年10月。

各トランクには2つの方向があり、それぞれ別の場所で設定します。オリジネーションは、プロバイダーからRetellへ流れる通話を対象とします。プロバイダーのトランク設定で、オリジネーションSIP URIをsip:sip.retellai.comに設定します。ターミネーションは、Retellからプロバイダーを経由して外部へ流れる通話を対象とします。プロバイダーからターミネーションSIP URIが発行されるので、電話番号をインポートする際にそれをRetellに入力します。

テレフォニースタックの構成要素とは?

ビジネス向けテレフォニースタックは通常5つの要素で構成されており、AI音声エージェントはそこに1つのエンドポイントとして加わります。

  • キャリアまたは番号プロバイダー。電話番号を所有し、通話をPSTNに接続します。
  • SIPトランク。電話システムとキャリアを結ぶ接続です。
  • 電話システム。通話のルーティング、ボイスメールの処理、メニューの実行を行うPBXまたはクラウドテレフォニープラットフォームです。選び方についてはクラウドテレフォニーをご覧ください。
  • コンタクトセンタープラットフォーム。通話をキューに入れ、担当者にルーティングします。Retellでは、Avaya、Genesys Cloud、Five9、Amazon Connect向けのセットアップガイドを用意しています。
  • エンドポイント。デスクフォン、ソフトフォン、AI音声エージェントなどです。

AI音声エージェントはテレフォニーにどのように接続するのか?

電話番号の所有者に応じて、接続方法は3つあります。

  1. Retellが管理する番号を使う。ダッシュボードまたはAPIから米国・カナダの番号を購入できます。テレフォニープロバイダーのアカウントもトランクの設定も不要です。Retellの番号からは15か国に発信できます。
  2. エラスティックSIPトランキングで自社のキャリアを持ち込む。プロバイダーが対応している場合、Retellが推奨する方法です。RetellはTwilio、Telnyx、Vonage向けのガイドを用意しており、SIPトランクに対応したプロバイダーであればどこでも利用できます。
  3. SIP URIへダイヤルする。プロバイダーがエラスティックSIPトランキングに対応していない場合や、構成が複雑な場合は、自社システムからRegister Phone Call APIで通話を登録し、5分以内にSIP URIへダイヤルします。この方法ではRetellの通話転送機能は利用できないため、独自の転送ロジックをカスタム関数として実装します。

セキュリティ面では、Retellはシグナリング用にTCP、UDP、TLS、mTLSをサポートしています。SRTPによるメディア暗号化にはTLSトランスポートが必要です。対応する音声コーデックはPCMU、PCMA、G.722です。mTLSはRetellサポートへのリクエストに応じて設定されます。実際の通話をルーティングする前に、番号のインポート時にTest SIP Connectionを実行できます。これは発信を行わずに、ターミネーションURIへSIP OPTIONSリクエストを送信するものです。テストに合格してもルーティングや音声が正常であることの証明にはならないため、その後に実際の着信・発信テスト通話を行ってください。

SIP側の詳しい手順についてはAIとSIPトランキングの統合をお読みください。また、Twilio連携の仕組みもご確認いただけます。

AI音声エージェントを導入する前に確認すべきテレフォニーのポイントとは?

まず、プロバイダーまたはIT部門に次の点を確認してください。いずれも、よくある導入遅延を防ぐための質問です。

  • キャリアはエラスティックSIPトランキングに対応しているか。オリジネーションURIを設定し、ターミネーションURIを取得できるか。
  • ファイアウォールやセッションボーダーコントローラーで、RetellのSIPサーバーアドレスを許可できるか。多くのプロバイダーでは許可リストの登録が必要です。
  • TLS、SRTP、mTLSが必要か。また、プロバイダーはそれらに対応しているか。
  • 電話番号を現在のキャリアに残す必要があるか。一部をRetellが管理する番号に移行できるか。
  • エージェントが通話を担当者に引き継げるよう、プロバイダーはSIP REFERとPSTN転送を許可しているか。
  • アカウントIDなど、SIPヘッダーで受け渡す必要がある通話情報は何か。

ベンダー側のチェックリストについては、テレフォニーインフラに合った会話型AIベンダーの選び方をご覧ください。

関連用語

AI音声エージェントとは、テレフォニースタック上で電話の応答や発信を行うソフトウェアです。料金は1分あたり$0.07からです。最新の詳細はRetellの料金をご覧ください。

Retell AIでテレフォニーを活用する

Retell AIは、すでに利用しているキャリアや電話システムに接続できるほか、すぐに使える電話番号も提供しています。そのため、既存のスタックを置き換えることなく、AI音声エージェントが電話の応答や発信を行えます。テレフォニー環境や最適な接続方法について、ぜひチームにご相談ください。

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