カスタマーエフォートスコア(CES)とは?測定内容、アンケートの設問と尺度、計算方法、良いスコアの目安、電話で顧客の労力が増える要因を解説します。
カスタマーエフォートスコア(CES)は、サポート上の問題の解決など、顧客が企業とのやり取りで用件を済ませるのがどれほど簡単だったか、あるいは難しかったかを測るカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の指標です。通常はやり取りの直後に1問のアンケートで収集し、結果は平均スコア、または「簡単だった」と回答した顧客の割合として報告されます。
CESは、後にGartnerに買収されたCEBの調査から生まれました。Matthew Dixon、Karen Freeman、Nick TomanによるHarvard Business Reviewの記事Stop Trying to Delight Your Customers(2010年7月)で紹介され、顧客を喜ばせようとするよりも労力を減らすほうがロイヤルティ向上に効果的だと論じられました。Qualtricsは、書籍The Effortless Experienceに掲載されたCEBの調査を引用し、労力の大きいサービス対応を経験した顧客の96%がロイヤルティを低下させたのに対し、労力の小さい対応を経験した顧客ではその割合が9%にとどまったと報告しています。
一般的な計算方法は2つあり、どちらも同じアンケート回答をもとにします。

2つの方法は、同じデータから異なる結論を導くことがあります。上の例では、平均は5.4、割合法では80%になります。Salesforceが公表している目標値(後述)と比べると、平均は目標の5.5に届かない一方、割合は目標の80%を達成しています。方法を1つに決めて基準値を記録し、両方を固定しておくことで、推移に意味が生まれます。
Salesforceによると、ほとんどのCESアンケートは「企業は私が問題を簡単に解決できるようにしてくれた」という1つの文のバリエーションを使用しています。容易さの評価として質問するチームもあります。どの形式を選ぶかによって、尺度のどちら側が良い評価になるかが決まります。
| 形式 | 文言の例 | 尺度 | 「簡単」側 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 同意文 | 「企業は私が問題を簡単に解決できるようにしてくれた。」 | 1〜7(まったくそう思わない〜強くそう思う) | 7 | Salesforce |
| 言葉による容易さ評価 | 「『非常に簡単』から『非常に難しい』までの尺度で、[企業名]とのやり取りはどのくらい簡単でしたか?」 | 非常に難しい、難しい、どちらでもない、簡単、非常に簡単 | 非常に簡単 | Qualtrics、IBM |
| 数値による容易さ評価(簡単が先) | 「1〜5の尺度で、問題の解決はどのくらい簡単でしたか?」 | 1(非常に簡単)〜5(非常に難しい) | 1 | SurveyMonkey |
| 数値による容易さ評価(簡単が後) | やり取りにかかった労力を評価してください | 1(非常に難しい)〜9(非常に簡単) | 9 | IBM |
| 2問形式 | 上記のいずれか+「そのスコアをつけた理由は何ですか?」 | 尺度+自由記述 | 尺度による | IBM、Salesforce |
自由記述のフォローアップ質問は、どの形式にも追加する価値があります。スコアからはどこかのステップが難しかったことがわかり、理由からはそれがどのステップだったかがわかります。
単一のベンチマークはありません。良いCESは、尺度と、そのどちら側が「簡単」を意味するかによって異なるためです。ベンダーが公表している基準値はあくまで目安であり、実測された業界平均ではありません。以下の3社のいずれも、根拠となるデータセットを示していません。
| 出典 | 尺度 | 良いスコア | 調査が必要な水準 |
|---|---|---|---|
| Salesforce | 1〜5の容易さ尺度 | 4.0以上 | 3.5未満 |
| Salesforce | 1〜7の同意尺度 | 5.5以上 | 5.0未満 |
| Salesforce | 同意割合 | 80%以上 | 70%未満 |
| IBM | 任意の尺度 | 尺度の上位20%(1〜5の尺度なら4以上など) | 記載なし |
| SurveyMonkey | 1〜5または1〜7(1が非常に簡単) | 3未満 | 4〜5は改善が必要、5超は高労力 |
SurveyMonkeyは3未満を良いスコアとし、Salesforceは5段階尺度で4.0以上を良いスコアとしている点に注意してください。どちらも、それぞれの尺度の向きにおいては正しいのです。自社のCESを他社と比較する前に、設問、尺度の段階数、どちら側が「簡単」を意味するかを確認しましょう。そのうえで、まずは自社の過去数か月の数値と比較してください。
CESは1回のやり取りがどれほど簡単だったかを測定します。CSATはそのやり取りに対する顧客の満足度を測定します。NPSは全体的な関係性を測定します。
| 指標 | 答える問い | 一般的な尺度 | 質問するタイミング |
|---|---|---|---|
| CES | これを済ませるのはどのくらい簡単でしたか? | 1〜5または1〜7 | やり取りの直後 |
| CSAT | このやり取りにどのくらい満足していますか? | 1〜3、1〜5、または1〜10 | 購入やサポート対応の直後 |
| NPS | 当社を推奨する可能性はどのくらいありますか? | 0〜10 | 定期的(多くは四半期ごとまたは年1回) |
出典:Salesforce。関係性のベンチマークについては、良いNPSスコアの目安およびネットプロモータースコアのガイドをご覧ください。
Qualtricsによると、CESの基になったCEBの調査では、問題解決のためにチャネルを切り替えること、同じ情報を繰り返し伝えること、画一的な対応、別の担当者への転送などが高労力の体験に含まれることがわかっています。Salesforceも同じパターンを、ステップが多すぎる、転送が多すぎる、説明の繰り返しが多すぎる、と表現しています。
サポート窓口では、これらは次のような形で現れます。サポートにたどり着くまでの複雑なメニュー階層、問題の説明をやり直させる転送、二度聞かれるアカウント情報、そして折り返しの約束が結局2回目の電話になることです。初回解決率(FCR)は、CESと併せて見るべき指標です。未解決のまま終わった通話は通常、再度の問い合わせにつながり、再度の問い合わせはさらなる労力になります。
AI音声エージェントは、労力を増やすステップの一部を取り除くことができますが、設定が不適切だと新たなステップを増やしてしまうこともあります。Retell AIで、労力に関わる機能としてドキュメントに記載されているものは次のとおりです。
逆方向のリスクもあります。エージェントがリクエストを解決できず、コンテキストなしで引き継ぐと、発信者はすべてを二度説明することになります。これはCEBの調査が挙げる「情報の繰り返し」という要因そのものです。エージェントが解決した通話と転送した通話で、CESを分けて追跡しましょう。
通話の最後にCESの質問をし、回答をデータとして保存できます。
call_analysisオブジェクトに書き込みます。スコア用の数値フィールドと、理由用のテキストフィールドを追加します。call_analyzed webhookが、call_analysisを含む通話データ全体を指定のendpointに送信します。想定しておくべき制限が2つあります。Retellは、接続されなかった通話や会話がなかった通話ではカスタム抽出フィールドを入力しないため、それらの通話はCESのサンプルから除外されます。また、組み込みのユーザー感情フィールドは声のトーンではなくトランスクリプトから推定されるため、実際に質問することの代わりにはなりません。構築の全手順については、通話の会話からNPSとCSATを追跡するガイドをご覧ください。同じ手順がCESにも使えます。
CESはcustomer effort score(カスタマーエフォートスコア)の略です。サポート上の問題を解決してもらうなど、顧客が企業とのタスクを完了するのがどれほど簡単だったかを測定する指標で、通常はやり取りの直後に1問のアンケートで尋ねます。
尺度によって異なります。7が「企業が簡単にしてくれたことに強く同意する」を意味する同意尺度では、高いほど良い評価です。「非常に簡単」を1とする容易さ尺度では、低いほど良い評価です。スコアを比較する前に、どちら側が「簡単」を意味するかを確認してください。
普遍的なベンチマークはありません。Salesforceは、1〜7の同意尺度で5.5以上、1〜5の容易さ尺度で4.0以上、または同意割合で80%以上を目指すことを推奨しています。IBMは、使用する尺度の上位20%に入ることを推奨しています。
CESはやり取りがどれほど簡単だったかを尋ね、CSATはそのやり取りに顧客がどれほど満足したかを尋ねます。どちらもやり取りの直後に尋ねます。CESは何かを難しくしたステップを特定できるため、改善につなげやすい指標です。
サポートの電話、クローズしたチケット、完了した購入など、測定したいやり取りの直後、体験の記憶が新しいうちに送信します。電話の場合は、通話が終わる前にエージェントが質問できます。
Retell AIは、電話の受発信を行うAI音声エージェントのためのプラットフォームです。発信者のコンテキストを会話に引き継ぎ、ウォームトランスファーの前に担当者へ状況を伝え、各通話をグラフ化できる構造化データに変換します。料金は1分あたり$0.07からです。最新情報はRetell AIの料金をご覧ください。