初回接触解決率(FCR)とは、顧客の最初の問い合わせで解決できた問題の割合のことです。FCRが高いほど、顧客が同じ問題について再び電話、チャット、メールをする必要がなくなります。多くのコンタクトセンターでは、測定対象となる問い合わせの大半が電話であるため、これを初回通話解決率(first call resolution)と呼んでいます。2つの用語は同じ意味です。
初回の問い合わせで解決した問題の数を、顧客から寄せられた固有の問題の数で割り、100を掛けます。
FCR =(初回の問い合わせで解決した問題数 ÷ 寄せられた固有の問題数)× 100
「固有」とは、通話ごとではなく、各問題を1回だけカウントするという意味です。「解決」には判定基準が必要です。これについては後述します。
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 3月の着信通話数 | 12,000 |
| すでに寄せられた問題についての再問い合わせの通話 | 2,000 |
| 寄せられた固有の問題数 | 10,000 |
| 7日以内に少なくとも1回の追加の問い合わせが必要だった問題 | 1,600 |
| 初回の問い合わせで解決した問題 | 8,400 |
FCR = 8,400 ÷ 10,000 × 100 = 84%。
一部の顧客が3回以上電話をかけたため、未解決の1,600件の問題から2,000件の再問い合わせが発生しました。代わりに総通話数で割ると(8,400 ÷ 12,000)70%となり、分母の違いだけで14ポイントの差が生じます。チームやベンダー間でFCRを比較する前に、定義を文書化しておきましょう。
測定方法は3つあり、慎重なチームはそのうち2つを組み合わせます。
| 方法 | 仕組み | 強み | トレードオフ |
|---|---|---|---|
| 問い合わせ後のアンケート | 問題が解決したか、1回の問い合わせで済んだかを顧客に尋ねる | FCRが本来反映すべき顧客の視点を把握できる | 回答した人しか対象にならず、結果が出るのも遅い |
| 再問い合わせ期間 | CRMや通話記録を確認し、7日間などの一定期間内に同じ顧客から同じ問題について別の問い合わせがあったかを調べる | すべての問い合わせを対象にでき、自動化も可能 | 電話番号やチャネルを変えた顧客は捕捉できない。期間の長さと「同じ問題」の判定ルールの両方が結果を左右する |
| エージェントによる判定 | エージェントが後処理の段階で、問い合わせが解決したかどうかを記録する | 即時に記録でき、コストもかからない | エージェントが自分の対応を自己評価し、将来の再問い合わせも把握できないため、高めの数値になりがち |
期間は問い合わせ理由ごとに設定し(状況確認なら短く、調査が必要な問題なら長く)、測定期間が変わっても固定しておきましょう。
通話後アンケートを用いて北米の500以上のコールセンターをベンチマークしているSQM Groupは、70%〜79%を「良好」、80%以上を「ワールドクラス」と評価しています。これらの数値はアンケートによる測定を前提としているため、再問い合わせ期間やエージェントによる判定から得た数値とは直接比較できません。また、FCR率は業界や通話の種類によっても異なります。詳しい内訳については、初回通話解決率のベンチマークをご覧ください。
未解決の問い合わせの多くは、通話の担当者がその場では解決できない原因に起因します。
未解決の問い合わせごとに理由をタグ付けし、通話の種類別に確認しましょう。通話分析を活用すれば、大量の通話でもこの作業を無理なく行えます。
音声エージェントは、通話中に用件を完了できるときにFCRを高めます。Retellの3つの機能が、上記の原因にそれぞれ対応しています。
issue_resolvedのような「はい/いいえ」形式のフィールドと、通話理由を選ぶセレクターを追加すれば、通話ごとの解決フラグが得られ、自社の記録にある再問い合わせと突き合わせることができます。導入前に、レポートについて2つの方針を決めておきましょう。1つ目は、エージェントがウォームトランスファーし、担当者が解決した通話をFCRに含めるかどうかです。どちらにする場合でも、AIのみで解決した件数は別途レポートしてください。2つ目は、FCRをコールコンテインメント(人が介在せずに完了した通話の割合)と区別することです。AIだけで完結した通話でも、再問い合わせにつながったものは解決とはみなされません。
転送、営業時間外の折り返し、システムへのアクセス権の不足がFCRの足かせになっているなら、RetellがAIコールセンターをどのように支援しているかをご覧ください。導入を決める前に、自社の通話理由で解決率を測定してみましょう。